治療としては、歯くきの歯垢や歯石を除去することが第一です。病気の初期の状態では、普段のブラッシングと、定期的な歯医者での歯石とりで病気が進行しないようにすることが基本になってきます。炎症で歯ぐきの溝が深くなり、歯周ポケットまでいってしまうと、なかなか話は難しくなってきます。一旦、歯周ポケットができると、病状は、健康なときより、加速度的に進みやすくなります。そこで、基本的には歯垢や歯石をとることが大切ですが、外科手術で歯ぐきの深いところにある歯石を除去して、ポケットを浅くするということも考えなければいけなくなってきます。 これはフラップ手術と呼ばれています。しかし、これらの方法でポケットは浅くなるのですが、完全にもとの歯ぐきの状態に戻るわけではありません。なぜならば、歯と骨の間には歯根膜と呼ばれるものがあるのですが、今の科学技術では、これを完全に再生することが出来ないからです。従って、フラップ手術をした後、状態を維持していくのは、かなりの努力が必要となり、油断すると再びポケットができることもあります。現在、どのような細胞にも分化可能な万能細胞(ES細胞)が作られるようになってきました。そのうち、これを応用して歯根膜や歯の再生ということが出来るようになるでしょう。しかし、それはいつになるかわかりません。近い将来それができるかどうかわからない今の段階では、歯周病の予防に努めるのが賢明と言えます。 |